PCR検査についてのまとめ(その4)

そこで、10万人の検査人数で罹患率を変数にして、陽性的中率をエクセルで計算してみました。
計算方法は、前に記述した通り。

【検査人数100,000人 罹患率(変数)、感度70%、特異度99%】
途中の計算は省いて、罹患率と陽性的中率のみを記載します。

罹患率    陽性的中率 誤診率
10%(10,000人) 88.6%   11.4%
8%(8,000人)  85.9%   14.1%
6%(6,000人)  81.7%   18.3%
4%(4,000人)  74.5%   25.5%
2%(2,000人)  58.5%   41.2%
1%(1,000人)  41.4%   56.6%
0.8%(800人)  36.1%   63.9%
0.6%(600人)  29.7%   70.3%
0.4%(400人)  21.9%   78.1%
0.2%(200人)  12.3%   87.7%
0.1%(100人)   6.5%   93.5%

この結果から分かることは、無作為に検査数を増やせば増やすほど、
誤診率があがるということ。
例えば、新型コロナを水際で食い止める目的で、全県民や全市民に検査を施すことは、誤診率を増やすだけで、意味がないばかりか、要らぬ混乱を招く。
ただ、世の中にはPCR教にかぶれた輩が多い。マスコミのワイドショーの影響です。本来なら、専門家が説明すべき事項。

とりあえず、ここまで。

PCR検査についてのまとめ(その3)

では次に、PCR検査の精度について調べてみます。
東京大学 保健センター」のホームページに検査に関する記載がありました。

PCR法では検体採取や検体保存の条件などで偽陽性(本当は新型コロナウイルス感染症で無いのに、陽性と出てしまう)、偽陰性(本当は新型コロナウイルス感染症であるのに、陰性と出てしまう)が起こりえます。この割合ははっきりしていませんが、PCR検査の感度(新型コロナウイルス感染症の方で、PCR検査が陽性となる割合)は現時点では高くて70%程度と考えられており、検査結果の判断は慎重に行う(PCR法で陰性でも、新型コロナウイルス感染症でないとは言い切れないことがある)必要があります。」
新型コロナウイルス感染症も含め、疾患の検査にはその精度を検証する必要があります。その指標として感度、特異度、陽性的中率などがあります。感度はその病気に罹患している人の中で、検査で陽性になった人の割合、特異度は病気に罹患していない人の中で、検査で陰性になった人の割合、陽性的中率は検査で陽性の人の中で実際にその病気に罹患している人の割合です。」

この大学のページでは、
検査人数1,000人、罹患者100人(罹患率10%)、陽性率70%、特異度99%として、陽性的中率を計算していました。

罹患している人のうち検査で陽性となるのは、100×0.7=70人、罹患していない人で検査が陽性となるのは、900人×(1-0.99)=9人、となります。
この場合、陽性的中率は、70/(70+9)=0.89となります。つまり、検査を受けた人のうち、真の罹患者は、89%ということになります。

そして、こんなコメントが付け加えられていました。
「この陽性的中率は、罹患率によって変化します。罹患率が低下すると、陽性的中率も低下することになります。PCR検査をより多くの人に施行すると、その集団内での罹患率は低下することが予想されるので、陽性的中率は低下、つまり実際には罹患していないにもかかわらず陽性と判定される人が増加することになります。」

(つづく)

PCR検査についてのまとめ(その2)

ただPCR検査では、自然免疫によって処理されたウィルスの死骸にも陽性反応が出る。そのため、感染力を持つウィルスのものなのか、それとももはや感染力を失った残骸に過ぎないのかは区別できない。

では、PCRとは何かというと、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction)のことで、DNAの特定領域を数百万〜数十億倍に増幅させる反応、または技術。
この研究により、1983年キャリー・マリスはノーベル化学賞を受賞。
利点は、
・特定のDNA断片だけを選択的に増幅させることができる。
・微量なDNA量でもOK。
・短時間
・病原体が死滅していても(感染力を失っても)標的核酸が保存されていれば増幅できる。

ただ、キャリー・マリスはPCR検査を感染症の診断に使ってはならないと講演等で警告していた。

(つづく)

 

PCR検査についてのまとめ(その1)

こんにちは。
新型コロナについて少し書きますね。
国際医療福祉大学高橋泰教授は、新型コロナの「感染7段階モデル」を提唱しています。
高橋教授によれば、「日本人の3割は既に新型コロナに曝露しており、98%は自然免疫の作用でほぼ無症状で済んでいる」ということです。

新型コロナウィルス 曝露・感染・重篤化の「7段階モデル」

【ステージ0】新型コロナウィルスに感染したことがない [無症状] PCR(-) 国民の7割

【ステージ1】曝露はしたが感染したことがない [ほぼ無症状] PCR(-)

【ステージ2】感染したが自然免疫で対抗する [ほぼ無症状か風邪症状] PCR(+)

【ステージ3】獲得免疫が立ち上がり始める [風邪症状・隔離入院] PCR(+)

【ステージ4】ウィルスが全身に広がり、肺や消火器に症状が現れる 獲得免疫との闘い [入院(軽症)] PCR(+)

【ステージ5】サイトカイン・ストーム(免疫システムの暴走)が出現 急速に重症化 ウィルスは凶暴化 [入院(重症)] PCR(+)

【ステージ6】死亡 PCR(+)


【ステージ1】から【ステージ6】までを100%とすると、
【ステージ1&2】が占める割合は、98%

また、PCR検査で陽性が出るのは、【ステージ2】以降。
陽性で、ほぼ無症状か風邪症状の割合が多い。

(つづく)